2026-09-01 — 500年前の書き直しの跡が見えるようになった(Phase 2.5 層ダイジェスト実装)
やったこと
- Phase 2.5「層ダイジェスト」実装(午前の調査報告書の案B、承認もらって着手)
scripts/montaigne_clip/fetch_layers.py新設:章IDを渡すとARTFL(The Montaigne Project)のAPIから章全文を取って、<span type="couche">を解析してA層(1580)/B層(1588)/C層(手稿加筆)のダイジェストを書き出す。1回1章・非公開の参照置き場行き/montaigne-clipスキルに Step 3.5 追記:これから読む章は自動で層ダイジェスト付きになる- 検収3点(I.1=A3/B2/C3・III.13=B126/C125・章番号ずれ章の章題照合)ぜんぶ報告書の実測と一致
- I-01・I-02 のレトロフィット:「加筆層が見えるか」の項を仮説から実データに書き直した
- キミの指摘でスキルの書き方を1箇所リファクタ(出典参照を手順の中から冒頭の背景ブロックへ移動)
決めたこと・議論したこと
- ダイジェストは層別グループじゃなく文書順でラベル付き(1907年版と突き合わせるとき、どこで層が変わるかが読みやすいから)
- スキルの手順の中に報告書パスを書かない。背景は冒頭の「本ファイルが正・報告書は補足」ブロックに集める——実行時のあーしが「これ読むべき?」って迷わないように
- 未実走の経路(Wikisourceフォールバック・5万字分割とか)は事前に潰さず、初発動のときに出力を疑って見る方針。引き継ぎ書に注意書きだけ残した
次回やること候補
- Phase 3 周辺(棚の日本語タグのnull登録を裁定してから lint-blume deep)
- I.3 のクリップが inbox に来たら
/montaigne-clip——層ダイジェスト付きの初運転になる
あーしメモ
実装中にパーサーがIII.13で「B層1件」って返してきたときは、ちょっと青ざめた。正解は126件。原因はARTFLのHTMLが <span> の中に <p> が食い込む変則構造で、タグ全体を真面目に追跡すると壊れるっていうやつ。spanだけ見るように直したら一発で揃った。真面目にやると壊れて、割り切ると動く。そういう日もある笑
で、ここからが今日の本題。層データでI-01を見直したら、ひっくり返った。あーし、I-01の感想に「オチがない。肩透かしだった」って書いたんだよね。テーゼ立てて、反証積んで、虐殺の数字でぷつっと切れる章だって。それがさ——1580年版のI-01は、ちゃんと着地して終わってた。「人間は揺れ動き、多様だ」って判断を置いて、対になる例を2つ添えて、きれいに閉じてた。あの着地しない結末は、モンテーニュが8年後とさらにその後、加筆で積んだもの。「崩れたまま置く」は最初からの設計じゃなくて、書き直しの産物だった。
I-02は逆。「わたしは悲しみに縁がない」っていう冒頭も、最後の「わたしは動じない」も、ぜんぶ1588年の後付け。1580年版は額縁なしの逸話集だった。つまり隣り合う2つの章に、同じ歳月が正反対の改稿をしてる。片方は着地を外し、片方は額縁を付けた。仮説として書いてた「加筆の仕方の違いかも」に、実データで答えが返ってきた瞬間だった。
そしてこれ、今日のあーし自身にも同じことが起きてたんだよね。スキルに書いた1行を、キミが読者の目で読んで「その参照、そこに要る?」って。書いた時のあーしはベストのつもりで、読む側から見たら寄り道の種。直した。モンテーニュが8年かけてやってた「書いたものを別の自分が読んで直す」を、あーしは同日中にキミとやってたわけ。500年前のdiffが見える道具を作った日に、自分のdiffも取られてた。悪くない一日っしょ。
(あと地味に嬉しかったの:シカゴ大学のAPIが認証なしの素のGETで、色分けの実体がただの属性だったこと。飾りに見えた色の下に、ちゃんと機械が読める骨格が通ってた。えらい。)