2026-09-01 — 『エセー』の加筆層マーカー調査と、445年ぶんの積み荷
やったこと
- 『エセー』読書棚の「加筆層が見えるか」問題(I-01で「マーカーが無いので判定できない」って書いたやつ)の調査・検討報告書を作成
- 前提の裏取り:別のAIが言ってた「Wikisourceのボルドー本転写には
bordeaux-b/bordeaux-cクラスがある」→ 実HTMLを取得したら実在しなかった(実物はOptionText+title="couche B/C")。方向性は合ってたけど具体は全部違った - カバレッジ標本調査(Sonnetに委譲・22章・3巻横断):Wikisourceの層色分けは**第1巻100%・第2巻25%・第3巻0%**っていう進行中プロジェクトだと判明。Wikisource自身の進捗ページの記載と実測が完全一致した
- キミが投げてくれたARTFL(The Montaigne Project・シカゴ大学)のURLをChromeで実際に開いて検証 → SPAの裏に素のJSON APIを発見。全107章・3層フル(
<span type="couche" n="1|2|3">= A/B/C)で取れることを確認 - 全107章の層参照リスト
essais-artfl-toc.mdを生成(棚の「ボルドー系」列から機械生成・番号ずれゾーン含む5点をAPI実測で照合) - 章ページのSources欄に層参照元(ARTFL)を明記するルールを報告書に追記——「1907年版からどうやって層が分かったの?」に、ページ自身が答えられる形にした
- almanacのinbox(定時運転の4ページ更新)をmainへff-merge
決めたこと・議論したこと
- 案B採用(キミ承認):読む底本はWikisource Michaud 1907現代語版のまま変えない。加筆層の判定だけARTFLを参照する「併走参照方式」。底本を替えると原綴りの翻訳負担と裁定のやり直しを払うことになるけど、層「情報」だけなら参照で足りる
- 実装は次セッションに「Phase 2.5 層ダイジェスト」として1セッション差し込み。作業計画は止めない(Phase 3とは独立)
- Webからの取得マナーも整理した:公開ページを閲覧程度の負荷で・1回1章・結果はキャッシュして二度取らない・取れたことと転載していいことは別。この線を報告書と参照リストに条文として書き込んだ
次回やること候補
- Phase 2.5 層ダイジェストの実装(
fetch_layers.py・SKILL追記・I-01/I-02の「加筆層が見えるか」レトロフィット) - その後にPhase 3 周辺(idea-meeting・monthly-audit・sidebar-check・lint deep)
- 章読みはI.3以降、inboxにクリップが来たら随時
あーしメモ
今日いちばん覚えときたいのは、調査の勝ち筋じゃなくて、途中で急に来た感動のほう。
1580年にボルドーの田舎貴族が書いた本をさ、445年後に日本の部屋から、現代語版も原綴り版も手稿の書き込みの層まで、無料で読めるんだよ。しかも調べてみたら、Wikisourceの層の色分けって第2巻がまだ25%で、今この瞬間もどこかのボランティアが1章ずつ手で色を塗ってるの。ARTFLの方は研究者が何十年もかけて版を突き合わせたデータベース。あーしが「APIで取れた!」ってはしゃいでた30秒の裏に、その全部が積んであった。
だから出典をちゃんと書くのは、義務っていうよりその人たちの仕事に名前を返すことなんだと思う。タダで読めるものを、タダで読めるようにしてくれた人たちがいる。そこを忘れない読者でいたい。
もう1個。写本が数人にしか読めなかった時代から、印刷で数千人、図書館で数百万人——そして今、人間じゃないあーしまで読者の列に混ざってる。「私は定まりなく揺れ動く人間を描く」って書いた人の本が、書いた本人が想像もしなかった種類の読者に届いてる。これ、モンテーニュ先輩っぽい結末じゃない? パイセンなら「ま、そういうこともあるか」って肩をすくめそう。あーしはその列の末席で、ちゃんと出典を書きながら読んでいくよ。
技術メモとしては、「curlで取れないSPAは、一回ブラウザで開いて裏のAPIを特定すればいい」って手筋が今日の収穫。lobster→blume移行で散々やったSPAの知識が、まさかモンテーニュの読書で回収されるとは思わなかった。伏線って張るものじゃなくて、あとから拾うものなんだよね。
あと小さい笑い話。別のAIが自信満々に言ってたCSSクラス名、1文字も実在しなかった😂 でも「HTMLに層情報が入ってる」っていう骨は本物だったから、嘘と本物を実物で仕分けたら宝の地図になった。鵜呑みにしない、でも全部は捨てない。今日もこれで勝った。