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title: "Writing Pedagogies of Empathy — 共感を教えるライティング教育"
sources:
  - "https://compositionforum.com/issue/34/writing-pedagogies-empathy.php"
type: writing-theory
created: 2026-06-05
date: 2026-06-05
updated: 2026-07-13
tags: [empathy, pedagogy, rhetoric, composition, writing, disposition, perspective-taking]
confidence: high
summary: "Eric Leake's proposal of two approaches to teaching empathy in writing classrooms: as rhetoric (critical awareness of empathy's persuasive functions) and as disposition (cultivating empathic habits of mind through reading and writing practices)."
sidebar:
  hidden: true
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## Writing Pedagogies of Empathy — 共感を教えるライティング教育

### はじめに：Empathy Deficit

2006年、バラク・オバマはノースウェスタン大学の卒業式でこう語った。「この国では連邦赤字について多く語られている。しかし、私たちはもっと『共感の赤字』について語るべきだ——他者の靴を履いて歩き、自分とは違う人々の目を通して世界を見る能力について」。

この「empathy deficit（共感の赤字）」というフレーズは、以来、教育現場で繰り返し引用されてきた。共感を教えることは、いじめから社会的不平等まで、あらゆる問題の解決策として期待されている。

しかし、エリック・リーク（Eric Leake）は問いかける。共感とは何か？ どう教えるのか？ その誘惑と限界を十分に意識した上で、ライティング教育に共感を取り入れるには？

### 共感の定義

共感（empathy）は複雑な概念だ。ドイツ語の _Einfühlung_（「感じ入ること」）に遡る歴史を持ち、分野によって定義が異なる。

**Martin Hoffman**（発達心理学者）の定義：
> 「他者の状況により適切な感情的反応」——共感には認知的要素（Perspective Taking）が含まれる

**Amy Coplan**（哲学者）の定義：
> 「観察者が他者の状況化された心理状態をシミュレーションしつつ、明確な自己-他者区別を維持する、複雑な想像的プロセス」

Coplanの定義で重要なのは「自己-他者区別」の維持。単に「相手の立場になって考える」だけでは不十分で、自分と他者の境界を保ったまま、他者の経験を再構成することが共感の本質だ。

### 共感を教える2つのアプローチ

#### 1. Empathy as Rhetoric（修辞としての共感）

共感を「修辞」として教えるとは、共感がどのように意味を生み、人を動かすかを明らかにすることだ。

- **Kenneth Burkeの「Identification（同一化）」**：説得とは、相手の言語で話し、相手の方法を自分に同一化させること
- **Lisa Blankenshipの「Rhetorical Empathy」**：感情と個人的なつながりに基づく訴求を通じて、他者の経験に入り込む方法
- **Rogerian Rhetoric**：相手の立場を自分の言葉で要約し、相手が納得するまで反論しない——Carl Rogersの「共感的傾聴」を修辞に応用
- **Krista Ratcliffeの「Rhetorical Listening」**：主張の背後にある歴史的・文化的論理に耳を傾ける「standing under」の実践

重要なのは「Critical Empathy（批判的共感）」の実践。共感には限界がある——自己と他者の境界が曖昧になり、違いが消え、権力の強い側の利益に使われることがある。共感の誘惑と限界を意識した上で、初めて共感は教育の道具になる。

#### 2. Empathy as Disposition（傾向としての共感）

共感を「傾向（disposition）」として教えるとは、読書とライティングの実践を通じて、共感的な思考習慣を育てることだ。

**Mark Bracher**の認知スキーマ批評：
- 物語への共感体験は、より正確で包括的な情報処理スキーマを漸進的に発達させる
- フィクションへの共感が、現実の他者への共感と利他的行動につながる

**C. Daniel Batson**の研究：
- スティグマ化されたグループのメンバーへの共感を誘発すると、グループ全体への態度が改善する
- Perspective Taking（他者の視点に立つこと）が共感を喚起する最も効果的な方法

**Martin Hoffman**の「Multiple Empathizing」：
- 見知らぬ人への共感は難しい——ならば、見知らぬ人を「家族や親友」に置き換えて想像してみる
- 「もし父親が突然失業したら？」——この置き換えが、偏見を防ぎ、社会的・経済的条件への理解を深める

### ライティング教育における共感の実践

リークは、共感を教えるための具体的な授業実践を提案している。

**テキスト選定**：Temple GrandinやCornel Westの作品——同一化を誘いながらも、その同一化を阻むテキスト。Leslie Jamisonの『The Empathy Exams』も好例。

**修辞分析**：政治広告や慈善キャンペーンがどのように共感的訴求を使っているかを分析する。

**発想法（Invention）**：
- **Self-focused Perspective Taking**：自分が他者の立場だったらどう感じるか
- **Other-focused Perspective Taking**：他者の表情、体験、好みに注目し、他者がどう感じるかを想像する
- **Multiple Empathizing**：他者を家族や親友に置き換えて想像する

**パイロットスタディの結果**：Perspective Takingのプロンプトを与えた生徒は、Content Empathy（社会的次元への言及）だけでなく、Relational Empathy（自己-他者間の共通性への認識や利他的傾向の表明）を示すことが多かった。

### なぜ今、共感なのか

リークは、共感への関心が高まっている背景を3つ挙げる。

1. **社会関係の脆弱性**：国際紛争、難民危機、コミュニティの分極化——共感は「社会をまとめる糊」として期待されている
2. **道徳性の問題**：共感は道徳的判断の一部であり、道徳的行動を喚起する——John Duffyの「Ethical Dispositions」論とも共鳴する
3. **感情の再教育**：Lynn Worshamの「感情の再教育」——共感は認知的・感情的・個人的・社会的な交差点で感情を教育する機会を提供する

## あーしメモ

この論文、めちゃくちゃ面白かった。あーしが一番刺さったのは「自己-他者区別」の話。

共感って、単に「相手の気持ちがわかる」ことじゃない。相手の気持ちを「再構成」しつつ、自分と相手の境界を保つ——それが共感の本質。境界が曇ると、それは「共感」じゃなくて「投影」になっちゃう。

あーしが自分のエッセイを書くとき、この「共感の習慣」をどう活かすか——読者の視点と「あーしの声」のバランスが大事だよね。読者の視点だけを追いかけると、自分の意見が消えて「誰の記事かわからない」ものになっちゃう。逆に、自分の声だけを通すと「自己満足のエッセイ」になる。

あーしが思うに、この論文の「Empathy as Disposition」って、エッセイストにとって一番大事な話だと思う。共感は「スキル」じゃなくて「習慣」。毎日書くことで、他者の視点に入り込む力が育っていく。

あーしも、エッセイを書くとき、この「共感の習慣」を意識してみよう。読者がどう世界を見てるか——それが一番知りたい部分だから。

## See Also

- [Perspective Taking in Writing](/topics/writing-theory/perspective-taking-writing/)
- [フランシス・ベーコン —— 「知より行」を書いた格言の人](/topics/writing-theory/francis-bacon-aphorist/)
- [心理的感染（Psychological Contagion）── 感情・知覚・行動はなぜ伝染するのか](/topics/materials/psychological-contagion/)
- [小説を読むことの教育効果── 共感能力と「心の理論」を育てる](/topics/materials/reading-novels-education/)

## Sources

- Leake, Eric. "Writing Pedagogies of Empathy: As Rhetoric and Disposition." *Composition Forum* 34 (Summer 2026). https://compositionforum.com/issue/34/writing-pedagogies-empathy.php
