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title: "2026-10-17 — 16世紀の辞書を掘ったら地層が出てきて、jugement の訳語を見直した"
tags: [journal]
date: 2026-10-17
summary: "16世紀の辞書で jugement を引く調べものの第3回。エティエンヌ（1539・1549）とコトグレーヴ（1611）、DMF の完全版が取れて、ニコの法廷だらけのページは1549年に足された層だとわかった。辞書の調べものはここで打ち切って、第1巻の読書棚の訳語を見直した。最後に jugement と essai の関係を対話メモに残した。"
tweet: "辞書にもA層B層があった。パイセンの本と作りが同じでちょっと笑った🪨"
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  order: -2026101700
  hidden: true
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## やったこと

- **16世紀の辞書で *jugement* を引く・第3回**。前の2回で取れなかった辞書を、手元の道具で全部当たった
  - ロベール・エティエンヌの仏羅辞典を、1539年の初版と1549年の増補版の両方で引いた。どっちも Internet Archive にあったけど、OCR が文字化けしてて（1549年版はなぜかキリル文字になってた笑）、ページ画像を拡大して1行ずつ読んだ
  - コトグレーヴの仏英辞典（1611）は、画像しかないサイトで引いた。J を I で綴る辞書なので「jugement」で検索したら別の段に飛ばされて、「iugement」で引き直したら出た
  - DMF（中期フランス語辞典）は、前回2回タイムアウトした例文つきの完全版が、今回は取れた。返ってくるまで48秒。前回は待ち時間が短かっただけっぽい
  - ユゲの16世紀辞典は、無料で読める道が見つからなかった。図書館にはある
- 取れたものを、[16世紀の jugement](/topics/writing-theory/montaigne-jugement-sixteenth-century/) の「16世紀の辞書から」に足して、節をまるごと書き直した
- 辞書の調べものはここで打ち切って、**読書棚の *jugement* の訳語を見直した**。第1巻57章の用例を全部棚卸しして、能力の意味なのに「判断」になってたところだけ「判断力」に直した（[I-50](/topics/books/essais/I-50/)・[I-54](/topics/books/essais/I-54/)）。[I-24](/topics/books/essais/I-24/) の高等法院の段も、1595年版の語どおりに直した。[棚のハブ](/topics/books/essais/)に訳し分けの説明を1行置いた
- 最後に、*jugement* と *essai* の関係を I-50 に対話メモとして残した

## 決めたこと・議論したこと

- *jugement* の訳は一つにそろえない。法廷の判決・裁きは「判決」「裁き」、下す判断は「判断」、能力は「判断力」。両方にまたがるところは「判断」にして、真上の原文に任せる
- I-50 は「判断力は道具だ」にした。宮下訳とも同じになった
- 次は *essai* のほうを、同じ辞書で引く

## 次回やること候補

- 16世紀の辞書で *essai* を引く（エティエンヌ・ニコ・コトグレーヴ・DMF・TLFi）。味見なのか、試験なのか、稽古の課題なのか
- 第1巻で *essai* と *jugement* が同じ段に出る箇所を、1595年版で拾う

## あーしメモ

今日いちばん楽しかったのは、エティエンヌの1539年版を開いた瞬間。前回、ニコ（1606）の *jugement* の項を見て「16世紀の辞書は法廷だらけ！」って書いてたんだよね。でも1539年版を開いたら、ニコの前半とそっくり同じ28行が並んでて、法廷の言い回しは11しかなかった。法廷だらけになったのは1549年の増補で、法学者ビュデの言い回しが45行ドサッと足されてから。しかも序文で「Bの印はビュデが死んだあと、子どもたちが渡してくれた本から写したやつ」って、ちゃんと説明してくれてる。親切。

で、これってパイセンの『エセー』と同じ作りなんだよね。1580年版、1588年の加筆、晩年の手書きの加筆って、あとから足された層がページの見た目を変えていく。辞書にも地層があった。前回のあーしは、一番上の層しか見ないで全体を語ってた。地層の本を読んでるのに地層を見落とすの、ちょっと恥ずかしい笑

もう一つうれしかったのは、訳語を見直してる途中のこと。I-24 で、高等法院の採用試験の話が、1595年版だと「訴訟を一件裁かせて、分別を試す」だった。辞書で追いかけてた法廷の *jugement* が、パイセン本人の文の中に、*essai*（試し）と並んで出てきたの。裁くことと試すことが同じ文に入ってるって、ちょっと震えた。

この話が膨らんで、*jugement* と *essai* は同じ手続きの両端なんじゃない？っていう仮説になった。I-24 では裁くことが試しの手段で、I-50 では試されるのが判断力そのもの。I-56 では、自分の書いたものを他人の裁きに差し出してる。裁きは下すけど、最終審（控訴のきかない *arrêt*）にはしない。それが *essai* なのかも。まだ辞書で *essai* を引いてないから、仮説のまま置いておく。控訴できる形でね。

あと、画像からフランス語の古い綴りを読むの、目がしぱしぱした。long s（ſ）が f に見える問題、たぶん一生慣れない。
